先日、父が亡くなりました。母は10年前に亡くなっており、相続人は長男と次男と長女の3人になります。父名義の不動産を長男名義に変更したいと思っているのですが、手続費用をなるべくかけたくありません。
司法書士に依頼をせずに、自分達で相続登記をすることはできますでしょうか?
相続登記の手続きは、戸籍謄本や評価証明証等の必要書類の収集から遺産分割協議書や登記申請書等の作成、法務局への登記申請と細かい作業をしなければなりません。
相続登記に費やす時間と労力を考えると、司法書士にご依頼をいただいた方がよいでしょう。
相続登記の手続きをご自身で進めようと思うと、以下のような手順を踏んでいくことになります。
(1)遺言書の有無の確認
遺言書がある場合、原則、遺言書の内容に従って相続登記手続きをすることになります。
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議書を作成し、相続登記手続きを進めていくことになります。
以下、遺言書がない場合を前提に話を進めます。
(2)相続人の調査
亡くなった方の出生時から死亡までの戸籍と相続人全員の戸籍を収集することにより、相続人を調査し確定します。古いものになると手書きで書かれており普段戸籍を見慣れていない方にはとても大変な作業です。
平日に仕事を休んで本籍地の役所まで足を運び、ようやく収集したのに、戸籍の見方が良くわからない・・・、転籍しているので転籍元の役所が遠い・・・、集めてみたけどこれで合っているのかよく分からないというご相談をいただきます。
(3)不動産の調査
不動産登記事項証明書(登記簿謄本)や固定資産評価証明書等などを取って、相続登記の対象となる不動産を特定します。
こうした書類の見方を知っているかどうかということ以前に、名前すら聞いたことがないという人もいると思います。
「不動産登記事項証明書の地番が、住居表示と違っているのはなぜ?」
「父名義の不動産だと思っていたが、かなり前に亡くなった祖父名義のままだった」
「共有になっているけどどうすればいいのか?」
「借金はないはずなのに、抵当権が付いたままになっている。」
「登録免許税の計算方法があっているのか分からない。」
これらの書類を取得し、内容を確認することで、新たに悩みを抱えてしまうこともあります。
(4)遺産分割協議・登記申請書の作成
遺産の分け方というデリケートな問題について親族間で話し合うのは、気が重いという人も多いと思います。うまく調整がついたとしても、その内容を遺産分割協議書という書面に不備なくまとめる必要があります。自信をもって遺産分割協議書を作成できるでしょうか。
(5)法務局に登記の申請
登記申請書を自力で完成させ、数多くの添付書類をもれなく添付し、不備なく登記申請をしなければなりません。
以上で相続登記の申請は完了します。
相続登記をご自身で行うことは、かなり大変だということがご理解いただけたのではないでしょうか?
ここで1つ付け加えさせていただきたいのは、人生で相続登記の必要性に迫られる局面は、極めて限定的であるということです。
頑張って最後までやり遂げたとしたとしても、司法書士に支払う報酬を節約できたというだけで、それが今後の人生に大きく役立つとか、そういうことはないと思います。
手続きや調べものに費やした時間や、その過程で感じた幾多のストレスを考えると、司法書士に支払う報酬額は割安かも知れません。
不動産は相続財産の中でも価値が高くしっかりと手続きを踏んでおくべきものです。
当センターでは、相続登記の全工程を基本料金98,000円(税別)でフルサポートさせていただいています。